自宅のPC上でWebサーバを起動する

 この記事を読めば、誰でも自宅のPC上にWebサーバを起動させることができます。今回はUbuntuとApacheを使ったWebサーバ構築について書いていきます。 
 自宅のPC上にWebサーバを構築しておくと、HTMLやCGIの動作確認をするのに便利です。
 WindowsだけでWebサーバを起動させる方法もあるのですが、サーバの仕組みをちゃんと理解するのならこの方法でWebサーバを起動するのがおすすめです。

構築に使用した環境

使用したPCは、一般的なWindowsが入っているデスクトップPCです。

 PC CPU Intel i3 6100T
   MEMORY 8GB
   SSD 200GB
   OS Windows 11 HOME
   GPU Onbord Intel HD Graphics 530

 必要なソフトウェア
   VMware 17Player ※非営利無料ソフト

 VMwareを使用すると、Windows上で別のOSを動かすことができるようになりますので、Webサーバを起動する為にもう一台パソコンを購入する必要はありません。
 

OSのダウンロード

 特にOSにこだわりはありませんが、Linux系OSで使いやすさに定評があるUbuntuの最新バージョンubuntu22.04を選びました。

ダウンロード先はこちら(Ubuntuを入手する | Ubuntu | Ubuntu)になります。ダウンロードリンクからISOイメージを入手してください。

 ファイルのダウンロードについては、ダウンローダを使うのがおすすめです。
 私はダウンロード中に失敗しても途中からダウンロードを続けてくれるレジューム機能や、ファイルを分割して高速ダウンロードする機能がある「irvine」を使っています。

OSのインストール

①VMwareを起動した後、新規仮想マシンの作成を選択
②インストール元を求められるので、ダウンロードしておいたubuntuのisoファイルを指定して「次へ」
③ユーザ名やパスワードを設定して「次へ」「完了」
④「最小インストール」を選択して「続ける」
⑤「ディスクを削除してUbuntuをインストール」を選択して「インストール」(確認画面でも「続ける」)
⑥「名前」「パスワード」を設定して「続ける」

 あとはインストールが終わるのを待てば完了です。これであなたのパソコン上には、Ubuntuがインストールされました。

 次からUbuntuを起動したいときには、Windowsから「VMware」を起動して、この中で「Ubuntu」を選択するだけです。
 同じ要領で、他のOSをインストールすることができますし、同じOSを幾つもインストールすることもできます。
 VMwareを使うとインストールしたOSを削除して、入れなおすことも簡単にできますので、設定をいじりすぎて治せなくなった時等(;_;)は、もう一度OSから入れなおすこともできます。
 VMwareの上位バージョンを購入すると、さらに便利な機能(スナップショット等)が使えるので業務で使用するなら絶対おすすめですが、金額的に個人では手が出ません。

 正常に起動するとこんな感じになります。

 インストールが終了したら、必ずバージョンアップを行ってください。
 パッチの内容を確認して影響の有無を確認できる方ならバージョンアップを選択しないこともありますが、わからないならバージョンアップしましょう。
 インターネットにつながっていれば、自動でソフトウェアの更新を勧めてきます。
 Ubuntuでは、ソフトウェアの更新やインストールには管理者のパスワードが必要です。インストールしたユーザであれば管理者権限になっているはずなので、ログイン時のパスワードを入力してください。

Webサーバのインストール

 Webサーバの代表ソフトといえば
    Apache
ですので、今回はApacheを使っていきます。

まずはコンソール画面を起動します。Ubuntuのデスクトップ上で右クリックして、「端末を開く」を選んでください。
 下の画面の様な画面が開きます。

これがコンソール画面です。
端末と呼ばれることもあります。
この画面から基本的な操作を行っていきます。
 白く点滅しているのがカーソルです。

 まずは、ubuntuを最新の状態にアップデートする為に、次のコマンドを入力してください。

  $ > sudo apt update

 パスワードの入力を求められるので、パスワードを入力すると自動で完了します。

 続いてApacheをインストールします。

  $ > sudo install apache2

 と入力すると、勝手にインストールをしてくれます。
 実はもうこれだけでWebサーバが起動しているのです。

 Webサーバが起動していることを確認する

 ubuntuのデスクトップ画面の左上にあるfirefoxというブラウザのアイコンをクリックして起動してください。

←firefoxのアイコンです

 そして、アドレスバー(URLを入力するところ)に

localhost

と入力すると次のような画面が表示されます。

apacheが起動していると公開されるホームページの表示画面

このページは、あなたのPC(VMware上)で起動しているwebサーバが公開しているページになります。アドレスバーに入力した「localhost」というのは、自分自身のサーバにアクセスするという意味です。
 IPアドレスで指定したい場合は、アドレスバーに、

 http://127.0.0.1/

と入力しても、同じ結果が表示されます。

 なお、apacheの起動や終了についてはコンソールから次のコマンドを入力してください。
   apacheの起動    $ > sudo service apache2 start
   apacheの再起動   $ > sudo service apache2 restart
   apacheの停止    $ > sudo service apache2 stop

● Windowsからホームページにアクセスする

 まずは、VMware上のubuntuに何番のIPアドレスが割り振られているか確認します。
 ubuntuのコンソール画面を開いて、IPアドレスを確認するコマンドを入力します。

  $ > ip -br -4 address

私の環境では、

 $ > ip -br -4 address
 lo   UNKNOWN   127.0.0.1/8
 ens33  UP       192.168.19.129/24

と表示されました。
 この「192.168.19.129」が、ubuntuに割り振られているIPアドレスです。

 次はwindowsに戻って、普段使っているブラウザのアドレスバーに

  http://192.168.19.129/

と入力してください。
 ブラウザ上に、先ほどubuntuで表示されていたデフォルトページが表示されます。

 今回は、PC上のVMwareにubuntuをインストールし、webサーバを起動させるところまで書きました。
 ブラウザのアドレスバーに、ubuntuのIPアドレスを入力するという流れがわかると、ホームページの仕組みに対する理解が深まります。
 ぜひ試してください。